遊戯王5DXAL 3rd
□第98話:『戦うモンスターの気持ち』
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左手を押さえる一星。
そこにラリーを初め、アキ、愛たちも集まってきた。
アキ:「一星、どうしたの!?」
アキが一星に呼びかけるが、一星はずっと左手を押さえていた。
愛:「左手が痛いの?」
ミスティ:「急いで手当てした方がいいんじゃない、アキ」
アキ:「そうね。一星、立てる?」
一星:「あ、あぁ」
一星は自力で立ち上がり、その場から離れる。
ラリーもついて行こうとするが、一星と戦っていたセーブルが気になり、そちらの方を向いた。
セーブルは気を失っており、担架で運ばれるところだった。
ラリーはデュエルバトルフィールドシステムにセットしたままのセーブルのターミナルペットの中を見る。
ラリー:「!?」
するとどうか。ラリーは声が出なかった。
さっきまで使っていたはずの、ダーク・ヘルケイターやサポートカードが全部なかったのだ。
ターミナルペットの中にカードはあるが、全部バトルでは使用されていないカードだ。
ラリー:「すり替える時間はなかったはずだ」
ラリーは担架で運ばれそうになっていたセーブルを止める。
ラリー:「ちょっと待ってください!」
ラリーが担架に横たわるセーブルを揺さぶる。
ラリー:「おい!お前、一体、あのカードをどこで手に入れた!起きて答えろ!」
ラリーは大きくセーブルの身体を揺さぶる。
セーブル:「う…うぅ」
すると、セーブルの意識が戻った。
セーブル:「ここは…、俺は一体…」
ラリー:「おい、お前、ダーク・ヘルケイターのカードをどうした?どこにやった?」
意識を取り戻したセーブルに問うラリー。
セーブル:「ダーク・ヘルケイター…、わから、ない」
ラリー:「!」
セーブル:「ここは、どこだ?俺は、なぜ、ここにいる?」
様子がおかしいことに気付いたラリーはセーブルに質問をぶつける。
ラリー:「お前、デュエルバトルカーニバル選手権に出ていたんぞ。覚えているのか?」
セーブル:「デュエルバトルカーニバル…、何のことだ…?」
ラリー:「デュエルバトルをやっとことはあるのか?」
セーブル:「そんなもの…やったことない」
ラリーは確信したかのような顔をする。
ラリー:『記憶を失っている…』
ラリーはそう判断した。
そして、セーブルは担架に運ばれる。
ラリー:『何がどうなっているんだ?』
何かとてつもないことでも起きようとしているのか…。ラリーは一瞬そう思った。
その頃、とある場所に設置されているカプセル。
その中が突如輝き出し、カプセル内に1枚のカードが浮かび上がる。
そう、ダーク・ヘルケイターのカードが…!
第6OP『ハートウェーブ《福圓美里》』
第98話:『戦うモンスターの気持ち』
予選最終バトルを見ていた左頬に黄色いマーカーが刻まれた男。
サングラスで素顔を隠している。
男は、一星のことが心配でフィールドシステムが置かれている場所まで降りてきた者たちを見つめる。
ジャック、クロウ、龍亜、龍可、鬼柳、ラリー、一星に愛、そして、アキを見ていた。
アキだけは誰よりも長く見つめていた。
???:「アキ…」
男は彼女の名前を呟いた。
男の背後に近寄る人影…。
男は、その男の気配に気づいていた。