銀色の罪

□人質
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これは…! 名無しさんの剣。

夜明け前にシエルを連れて邸に戻ったセバスチャンは、近くの森で銀色の細い剣を見つけた。

帰ってみると邸には名無しさんの姿が無く、気配を追ってこの剣にたどり着いたのだ。
「血の匂いもしますね」
名無しさんの血の匂いだった。

「セバスチャン」
手がかりもなく邸に帰ると、シエルが紙切れを渡してきた。
「今さっき届いたものだ」
セバスチャンは書かれている文字に目を通す。
そしてゆっくりと口元を弛ませた。

「なるほど、人間が捕まえたのですか。ならば心配は要りませんね」
「行って壊滅させて来い。これでこの件は終了だ」

「イエス・マイロード」

セバスチャンは流れるように跪いた。
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