短編
□言い訳が欲しい
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取り出して宛名を見れば、僕の名前があった。
「ってことは、見てもいいんだよね?」
封を切り、中の紙を取り出す。
開けば見慣れたステラの字。
『今日は世界カメの日です。』
またカメか。
思わずそう突っ込んだが、後に続く文章に目が釘付けにる。
『でも、恋文の日でもあるらしいです。』
そして思いっきり間を開けて、一番下に大好きという小さな文字。
「やってくれるねほんと......」
抑えようとしても、笑みがこぼれる。
こんなに真っ直ぐで、素直で。
こういうところが好きなんだな、と改めて実感させられて。
胸がいっぱいになって、隙間なんかなくなる程に満たされる。
深呼吸をし、手紙を大切に仕舞うと僕も教室を飛び出す。
目指すは屋上。