文
□私の幸せ
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皆が幸せなら、きっと私も幸せです。
昔、小学校の作文でそんなことを書いた気がする。
それを読んだ先生は苦笑いしていて、それが何故だかわからなかった。
でも、先生は「私らしい」とも言ってくれた。
その言葉を書いた気持ちは今も変わってない。
誰かの幸せを見て悲しくなることもあったけれど、祝福の気持ちだって確かにあったのだから。
――でも、そうちゃんと思えることが出来たのは私一人の力なんかじゃない。
きっと悲しいことを悲しいって言って受け止めてくれる人が居たから。
心の何処かで、私は日常が永遠なものだと思っていたのかもしれない。
絶対に変わらないものだと勘違いしていた。
多分、知らない間に徐々に変わっていたのに、全然気付けなかった。
誠司。私が貴方が居なくなって、頭が真っ白になった。
ただただ悲しくて、バカみたいだけど貴方の存在の大きさを知った。
いつでも傍にいてくれて、ずっとそれが当たり前だと思っていて……。
でもね、それと同時に私の幸せに気付いたの。
これが私の幸せだって。
ぴかりヶ丘で皆と一緒に過ごす日々が何よりの幸せだって、当たり前過ぎて気付けなかった。
誠司はどんなときも私の傍にいて、私の話を聞いてくれたよね。
だから、貴方の居ない日常なんてあり得ないって確信してる。
正直に言うと、今何をすれば正解かなんてわからない。
だけど、貴方に会って話がしたい。
ううん、絶対に会いに行く。
我がままかもしれないけど、私は貴方が居ないと幸せにはなれないから。