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□いおなとお買い物(めぐみ編)
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今、パーティーの準備のためにめぐみと買い出しに行っている。
今度のパーティーは期末テストでめぐみの最下位脱出と、学年に一人も赤点がいなかったことを記念したものだ。
期末テスト前の数週間、毎日放課後で皆と勉強していた。
最初は山崎くんも入れた六人で勉強していたんだけど、どんどん人が増えていって、妙に男子の割合が多かったような気がする。
「わぁ、本当に安い!」
めぐみが感嘆の声を上げる。色んな商品に目をキラキラとさせていた。
「めぐみ、今日はジュースの半額クーポンがあるから」
「おぉ〜! 太っ腹!」
めぐみに褒められて少し照れる。少し褒め過ぎじゃないかと思った。
外方を向いてしまいう。心の中では、あまり可愛くない反応に頭を掻きむしっていた。
お菓子コーナーに入ると、プリキュアスナックに目がいった。
ひめが集めてるなら、きっとめぐみも買っているような気がする。
「あっ、誠司の好きなやつ。あれは、確か山崎くんが好きだって言ってたけ?」
めぐみはそれに目をやらず、お菓子選びに一生懸命だ。
「めぐみ」
呼ぶと、少し不思議そうな顔をして寄ってきた。
「プリキュアスナックは?」
私がそう聞くと、めぐみは「あっ!」と声をあげる。
「ひめがカード集めてるもんね」
そう言って、プリキュアスナックを手に取ろうとしたが遮る。
「いや、めぐみも集めてるんじゃないの?」
私がそう聞くと、めぐみはまた不思議そうな顔をした。
「集めてるには集めてるけど……」
何とも中途半端な答えだ。
「ひめや真央ちゃんも集めてるから、二人が持ってないカードはついついあげちゃうの」
私が怪訝な顔をすると、めぐみは笑顔でそう言った。
「だから、カードなかなか集まらなくて……」
えへへと笑っているが、何がおかしいのかわからなかった。
「――これ、奢ってあげる」
私はプリキュアスナックをカートの中に入れる。めぐみは「えっ?」と声を漏らしたが、しのごも言わせず先に進んだ。
買い物帰り、公園でプリキュアスナックを食べている。
それはめぐみが半分こしようと提案してきたからだ。
プリキュアスナックの量は少なくて、皆に分けるにはなかなか不向きなお菓子だ。
それに、なっとうぎょうざ味は人を選ぶ味だと思う。
私はなかなか悪くないと思うけど。
めぐみも隣で「美味しいね」と笑っている。