沖田双子夢 2
□今度はゲレンデに来ちゃった
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「あはっ、ちょー楽しい!」
「なまえェ、あと1回滑ったら飯食いに行こうぜィ」
「オッケー!」
よく晴れた空、キラキラ光るゲレンデ、そして派手なウェアに着替えたあたしたち。そう、今みんなで旅行に来てます!
休む暇なんてない真選組のあたしたちが旅行に来れてる理由は、プールの時みたいにとっつぁんの一言。
「なまえちゃーん、信州にある有名なゲレンデって知ってるかィ?」
「えーっと、恐山だっけ」
「それ東北のイタコさんの山々!!神聖な山でスポーツなんてできないからね!!」
「えー?でもアンナなら滑ってそうだけど」
「いや、きっとまん太が止めてるはず!」
「たしかに!んでアンナに返り討ちにあってそう。でもとっつぁん、あたしそれ以外は分かんないよ」
「じゃあそんななまえちゃんに、はい」
「「ん?」」
「また貰いもんでワリィけど、たまには旅行でも行ってきなァ」
なんてことがあって、あたしたちは今日から一泊二日で信州のゲレンデに来てる。
もらった時は嬉しかったけど何か裏があるんじゃないかって勘ぐってたらタイミングよく栗子から電話があって、どうやら栗子がとっつぁんに言って休暇をくれたみたい。(彼女曰く、なまえは働き過ぎでする!だって)
お礼の電話をしたあと総悟たちを誘ったら、冬の旅行にいいイメージがないのか3人の表情が固まった。行きたくないなら仕方ないと思って「じゃあ万事屋のみんなと行ってくる」って言うと、3人は我に返ったように旅行の準備をしてくれた。もう、本当は行きたかったくせに素直じゃないなあ。
朝早く電車に乗り、人生初のゲレンデに着いて受付でボードを借りる。3人に初歩の滑り方を教えてもらうこと数十分。初めてのボードだったけど難なく滑れるようになって、総悟と何回もリフトに乗っては滑り続けた。
そして太陽が真上に来た頃、一緒に滑ってたいさ兄トシ兄は先にお昼を食べに行った。
ボードを平面にシャッと止めて金具を外し、両足を自由にする。ゴーグルを額の位置まで上げて、一緒に滑ってきた総悟を確認。
「よし、行こっか」
「腹減ったー」
食べる所はコースを降りた先にあって、歩いて向かう。席はいさ兄たちが取っておいてくれてるから、あたしたちはのんびり向かった。