沖田双子夢 2
□可愛いモノはみんな好き
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「おはよー」
「「「!!!」」」
次の日、沖田と共に食堂に来たなまえ。いつものように挨拶すると、食事をしていた隊士も話していた隊士も片付けていた隊士も、皆が一斉に入り口へと顔を向けた。
その迫力になまえは引きつり、踵を返そうとする。
が、遅かった。
「うおおお!なまえちゃんちっちゃ!つか懐かしい!」
「身長腰ぐらいしかねぇぞ!屈んだらちょうど良いなあ」
「初めて会った時みてぇだな」
「沖田隊長なまえちゃん貸してくださいよー」
「菓子食うか?」
「「……」」
小さくなったなまえを見るのは今朝が初めてな彼らは、目をキラキラさせてハエの如く群がってきた。武州からの古株は懐かしい姿に興奮し、他の隊士は可愛らしい容姿にデレデレしている。
なまえを溺愛している部下の大和が真っ先に近寄ってきそうだったのに姿が見えない。沖田が不思議そうに食堂内を見渡すと、席に座ったまま1人悶えている大和を見つけた。
…アイツに近づけんの止めよ
ここには妹馬鹿しかいないのかと自分のことは棚に上げ、隊士たちを醒めた目で見る。囲まれているなまえも兄と同じ表情を浮かべていた。
「そうだ、なまえ」
「ん?」
沖田からこそこそと耳打ちされた内容になまえはにやりと笑って、横目で了解の合図を送る。
18歳の時と変わらない雰囲気から一変、きゅるんと首を傾げハートをふわふわと舞わせて、
「おにいちゃんたち、はやく食べないとおしごと遅れちゃうよ?」
たった1日で物にしているその攻撃は、隊士たちには大打撃だったようで、
「「「キャアアアア!!」」」
厳つい見た目からは想像もできない、女顔負けの黄色い声が上がった。
ちなみな大和は衝撃のあまり、幸せそうな顔で気絶していた。