沖田双子妹
□彼らはこんな関係
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「和泉お腹壊さないでね」
「素麺なら早食いしたって平気平気!……あれ?つゆこんな色だった…」
「ふっふっふ」
なまえはニヤリと笑い、大和はにこにこ見ている。
それを見てまさか、と思った瞬間、口の中がおかしくなった。
「ぐっ、マズゥゥゥゥゥ!な、何だこれ!」
「特製マヨつゆ。トシ兄のだよ」
「おまっ……うえええっ!」
「はい麦茶」
差し出した相手を確認しなかった和泉に、大和はあーあという顔をする。
「サンキュ!ってマズゥゥゥゥゥ!クソッ次は何だよ!!」
「特製マヨ茶。トシ兄のだよ」
「あの人の味覚大丈夫!?ホント大丈夫!?」
相当不味かったのか、涙目の和泉になまえは大笑い。大和は本当の麦茶を和泉に差し出し、彼らが落ち着くのを待った。
その間に女中が新しい素麺を3人分持ってきてくれ、大和は丁寧にお礼を言った。
「新しい素麺もきたし、食べよっか」
「うん。なまえ普通のつゆ取って」
「はぁい」
「俺も最初から普通のつゆがよかったわ!つか普通こっちだろ!マヨつゆなんて誰も望んでねーよ!」
「副長は望んでるよ」
「あの人は別!」
「元はと言えば、和泉があたしの素麺食べたのがいけないんだよ。自分の分は自分で取ってきてよね」
「大和も食ってただろ?」
「和泉は食べすぎなんだよ。やっぱり遠慮しないと」
「人のモンに手ェ出してる時点で遠慮なんてしてねーよな!?」
それから素麺を食べ終わるまで、人の物に手を出す時はどうしたらいいのかの話が続き、また和泉の口の中に夕飯時までマヨの味が残ってたことで、彼が土方の味覚を本気で心配し始めるまで、あと少し。