沖田双子妹
□侍は刀を持ちなさい
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真山を含む幹部はパトカーに乗せ屯所へ運び、その他の浪士は奉行所へと運ばれた。
近藤と土方も先に行き、この場には後処理の隊士と沖田、なまえが残った。
「なまえ、オメー腕上がったなァ」
「総悟に褒められるとか明日雨だわ」
「明日が迎えられないようにしてやろうか」
「なら今すぐ地獄の迎え来させようか」
SにSを発揮して屈服させるのは得意だが、相手は双子の片割れ。言葉遊びは適当に終わらし、沖田はふぁっと欠伸をする。
「あー疲れた。明日非番の奴羨ましいぜィ」
「たしか退だっけ」
「…」
「…」
「一瞬で楽になれる場所に」
「お連れいたしまーす」
海を見ながらクスクス笑う沖田双子。明日の山崎はこの2人の餌食となっていることを、その場で片付けをしていた隊士たちしか知らない。ご愁傷さまです、山崎さん。
「なまえ」
「大和、何かあった?」
「あれなんだけど」
呼ばれたなまえは隊服を翻し、大和と歩き出す。すぐに和泉たちも寄ってきて、何かを話している。
大方真山一派が残した武器や爆薬の処理についてかねィ。沖田はなまえたちを見ながら欠伸を一つ。マジ眠ィ。
日付は今日から明日になった。
地獄へのツアーは寝て起きてからでいっかと目を擦りながら決め、真剣な顔から笑顔で話し始めたなまえたちの輪にのんびり近づいた。