沖田双子妹
□季節は気にしない
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「みんなが面白いくらい綺麗に避けてく」
「白バイが音鳴らしてきたらそりゃ避けるぜ」
後ろに乗る沖田の邪魔にならないよう、フルフェイスのヘルメットに長い髪を押し込みバイクを走らせる。色違いのヘルメットを被る沖田はなまえの腰にしっかり腕を回し、流れる景色を見ている。
「おかげで早く帰れそう」
「おっと。あんま左右に振んな」
「えー?聞えな…痛い痛い痛い!内蔵出る!」
「左右に振んなっつってんでィ」
「ったく、ちょっとした遊びだったのに」
「遊びで体が45度傾くか」
「あ、いさ兄いる」
屯所の門前に近藤が立っている。スピードを落として近づく白バイに気付いて大きく手を振っているのに、沖田は片手を離して振り返した。
「ただいま、いさ兄」
「ただいまでさァ」
「お帰り2人とも。お目当てのやつァ買えたか?」
「「ばっちり」」
「そりゃよかった!じゃあ飯を食いに行こう。今日は鍋みたいだぞ」
「「マジでか!」」
「じゃあバイク置いてくるね。団子よろしく」
「あいよ。待ってるか?」
「先行ってていいよ」
「なまえちゃんすぐ来るんだぞー」
「はーい」
「あー寒っ」
「こっちだなまえ」
「お待たせ。あ、鳥鍋!あたし大好き!」
「そう思って待ってた」
「ありがとう2人とも!わーい鳥鍋!」
「じゃあ」
「「「「いただきます!」」」」
「うまー」
「本当にうめェや」
場所は変わって居間。なまえと沖田と山崎は仲良くこたつに入ってテレビを見ている。
「はい、退」
「え、俺もいいの?」
「?、なに言ってんの。みんなに買ってきたんだからあるに決まってるよ」
「あ、ありがとう(なまえちゃんと沖田隊長が双子だってたまに信じられなくなるよね)」
「何か言ったかィ?山崎」
「いいえ!何も!」
「アイツ俺たち2人分だけ買うと思いきや、近藤さんや土方の野郎にまで買ってんだぜ?もう食ったってのに」
「うわぁ。高かったですよね」
「ま、経費で落とすけどねィ」
「ですよねー(やっぱ双子だ)」
「静かだけど2人とも食べてる?」
「俺ァこれ4本目」
「美味しかったよ。ありがとうなまえちゃん」
「今度はとっつぁんに、東屋のもなか持ってきてもらおうね」
「「そうきたか」」