沖田双子妹
□12月23日
2ページ/2ページ
「よし!」
○ガティブホ○ウでも背負いそうな落ち込み具合から、突如勢いよく立ち上がった和泉を2人は煎餅を齧りながら見上げる。
「俺、今から買ってくるわ!」
「和泉非番じゃないよね?」
「なまえが帰ってくるまでは休憩だろ?だから」
「ただいまー」
からりと襖が開く。
和泉は○ガティブホ○ウを背負い、ああああと膝をついた。大和たちはくすくす笑いながらお帰りなさいと言った。
「どうしたの?和泉」
「あはは、ちょっとね」
「ふぅん。ハク、早く炬燵入ろ!」
「はい」
寒い!と入ってきたなまえは風呂に入ってきたのか、髪が少し湿っていた。聞けばドライヤーもそこそこに来たと言う。律はなまえの後ろに回り、半乾きの部分にドライヤーを当てた。
「で、いつまで唸ってるの?」
「なまえェ」
「何?このなまえちゃんに何でも言ってみなさい!」
ドンと胸を叩いた自分たちの隊長の男らしさに感化され、和泉はなまえの隣までそろそろと来る。
「なあ、なまえって今何が欲しい?」
「欲しいもの?」
はい終わったよぉ、とドライヤーを片付ける律にお礼を言い、その時もらったアイコンタクトでははーんと理解した。
「田丸屋のお団子かなあ。けど兎庵のカステラも松屋のあんみつも捨てがたい。あと大江戸デパートに最近出来たお店のパフェも」
そこまで言って、なまえは隣に座る和泉ににんまり笑う。
「欲しいものは、それらを食べに行ってくれる人かな」
「!、じゃあなまえ、俺と行かないか?」
「うふふ、いいともー!」
「それはずるい!俺も行きたい!」
「僕もぉ。なまえとデートとか羨ましすぎ」
「はあ?何でテメーらまで…」
「ハクも行きたい?」
「隊長が…行くなら」
「よし、じゃあ久しぶりにみんなで行こう!和泉もいいよね?」
「う……なまえがいいなら」
その後わいわい騒ぎ出した彼らを大和がまとめ、元気よく街に繰り出すまであと少し。