沖田双子妹
□君がいない
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「あれ?なまえちゃんは…」
「なまえなら別の任務だ」
「ふ、副長!おはようございます!」
食堂で盆を持ち席をどこにするか決めていると、ふと沖田の隣が空いていることに気づいた。なまえは朝はいつも沖田と取っている。毎日絶対と言うわけではないが、99%はそうだった。
今日がその1%なことに1人驚いていると、後ろからかかった低い声に背筋が伸びる。
「任務…ですか?」
「ああ、1週間かけての任務だ。来週の討ち入りにも参加しない」
「ええ!?1週間もかかるなんて一体何の…」
「…頭回転させろ」
「え?」
山崎が座った席の前に座った土方は、味噌汁を啜りながら眉をしかめている。生憎土方の側には嫌と言うほどいるので、上司が何を言いたいのかは瞬時に理解した。そして同じように山崎も眉を寄せた。
「、すみません」
「分かったならいい。当日戦力になるヤツが欠けるから気ぃ抜くなよ」
「はいっ」
犬の餌と言われるマヨ丼をかっこむ土方は、眉間のシワを残したままそれから一言も話さなかった。
そして1週間の間、沖田の隣はなまえを待ち望むかのようにひっそり空けられていた。