沖田双子妹
□屋台の店主は大抵ノリがいい
2ページ/2ページ
それからちびちび料理を貰い、適当な話をしながら、今度万事屋に遊びに行くと伝えた。久しく会ってない神楽に会いたくなったのだ。
「いつ来る?今んとこデケェ依頼はねーから、いつだっていいけど」
「んー、1週間後」
「1週間後?なんだ意外だな。何かあんのか?」
軽く目を見開いた銀時。普段のなまえなら仕事をサボって遊びに来るのに、と暗に言っていた。
それにヘへっと笑って、持っていた湯飲みを置く。
「ちょっと仕事がね。こればっかしはサボれないんだ」
「へェ。なまえも真面目に仕事やんだな。1週間は雪が降るかも」
「銀さんの上に鋭く尖った雪の塊が降るように、頑張って仕事してくるね」
「それは死ねってこと!?鋭く尖ったとかそれもう氷柱だろォォ!ったくこれだから冗談が通じねーガキは嫌だ………ぐすん」
「ごめんごめん。なら氷の玉にしとくよ」
「しとくよって出来るの?俺の頭にピンポイントで降らせられるの?つかもう雪じゃなくなってるから、氷になってるからァァァ!」
「あははうけるー!」
「うけるの死ぬ宣告されてないオメーだけだァァ!」
「クク、銀さんやられっぱなしだねェ」
「うるせー親父!!!!普段の俺はこんなんじゃねーから。このドS姫が規格外なんだよ」
また言い争い始めた2人から、ちらりと時計を見る。時刻は夕飯の時間をとっくに過ぎていた。
「じゃあここらで帰るね。いさ兄が泣き始めちゃうから」
銀時と店主のやり取りに可笑しそうに笑いながら、木製の席から立ち上がる。それを見て、送るからちょっと待ってろ、と会計をしようとした銀時に、まだ時間早いから大丈夫と断って屋体から出る。
「じゃあ銀さん、来週行くから神楽に言っといて」
「あいよ。気ぃつけて帰れ」
「はーい!」
土手を上がっていくなまえを見ていると、くるりとこちらを向いた。
「銀さーん」
「何ー?やっぱ送ってってとか言うなよ。俺酒頼んじまったから」
「違うわ!…これから1週間、江戸の郊外にはあまり行かない方がいいよー」
「は?」
じゃあね!ブンブン手を振って、なまえは走って去っていった。残された銀時は何なんだ?と首を傾けつつ、頼んだ日本酒をグイッと煽った。