沖田双子妹
□瞳孔開いてるけどいいの?
3ページ/3ページ
「あーあ、つまんないの。もう少し反抗してほしかったのに」
「あんだけ言われて泣かなかっただけマシだろ」
シートに戻ってきた2人は、夕飯組が帰ってくるまで帰りの支度をすることにした。
「助けてあげたのにその言い方はないんじゃない?」
「オメーがドS発揮しなかったら礼言ってたよ」
「トシ兄って何でそんなに逆ナンされるんだろうね。確かにかっこいいけど瞳孔開いてるのに」
「知るか。瞳孔は生まれつきだ」
「マジでか。じゃあ生まれたときから死んでるんだ」
「なわけねーだろォォ!」
びっくりしたなまえにびっくりした土方は、その小さな頭を叩く。
「ぎゃあ!もう髪ぐちゃぐちゃになるでしょ!」
「ハッ。なら結い直してやろーか?」
「トシ兄きつくするからイヤ」
頭を擦って痛みを緩和していると、そう言えばと煙草を吹かす土方を見る。
「巨乳と貧乳どっちが好き?」
「ごほっごほ!な、何聞いてんだアホかァァ!」
真っ赤な顔をしてつっこむ土方を、ウブだなぁと無表情で思う。
「ねえ、どっち派?あたしは美乳派」
「聞いてねーよテメーの好みなんざ!しかもそれ選択肢になかったよね!」
「なんだあ。トシ兄も美乳派か」
「言ってねーよそんなこと一言も!!!!第一胸なんてどうでもいいわ。大切なのは中身だろ」
「え、どうでもいいの?大きい方が挟め」
「3年前のピュアななまえに戻ってェェェ!!!!!!」
肩を持ちガクガク揺らす涙目な土方に、あははと揺らされながらなまえは笑う。
前後に動く土方の腕を掴み、ごめんごめんと謝った。
「トシ兄は美脚派だったね」
「だから一言もそんなこと言ったことねーよ!!」
2人が溶けきったアイスに気づくのはまだまだ先だった。