沖田双子妹

□季節は気にしない
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「うまー」


夕日の暖かい光が差し込む縁側で、もぐもぐと何かを頬張るなまえ。廊下を歩いていた沖田はその姿を見つけて、不思議そうに声をかける。


「なまえ、何食ってるんでィ?」

「団子。とっつぁんが持ってきた田丸屋の」

「俺にもくれ」

「ごめん。今ので最後」

「…」

「だってみんなで分けたとき総悟いなかったし」

「…へぇ」

「…」

「…」


沈黙が痛い。見下ろされる視線も痛い。


「…もーっ!ごめんってば!」

「あー、団子が食いてーなァ」

「今から?無理、買いに行くのダルい」

「…あー、団子が」

「分かったよ買いに行けばいいんでしょ!でも総悟そんな団子好きだっけ?」

「なまえが食って俺が食ってねぇってのがムカつく」

「ふざけんなコノヤロー!でもその気持ち分かる」

「だろ?だったら買ってきなせェ」

「えー…あ、じゃあ一緒に行こうよ」

「なんで俺が」

「あたしの白バイで」

「……行く」

「よっしゃ!」


瞳の中に見つけたキラキラした色に笑って、なまえは沖田の腕を取り立ち上がった。




2人が駐車場まで行くと、ちょうど車での見回りが終わったのか土方が出てくるところだった。


「オメーらどこ行くんだ」

「うーん。3人はさすがに乗れないなァ」

「マヨラーは置いといて早く行くぜィ」

「オイィィィ!シカトすんなコラ!つかホントこんな時間にどこ行くんだよ」

「ちょっと田丸屋まで」

「団子買いに」

「はあ?…ああ、総悟食えなかったんだな」

「土方さんは食ったんですかィ?」

「美味かったぞ」

「死ね土方」

「テメーが死ね総悟」

「はいはい。じゃあ夕飯までには戻るから」


今にも刀を抜きそうな2人の間に立って仲裁したなまえ。土方はちらりと空を見上げてから、双子に視線を移す。


「気ィ付けろよ。あと音付けてけ」

「えー?職権濫用だよ」

「日も暮れかけてんだ。早く行って帰ってこい」

「土方コノヤローがいいって言ってんだから、めちゃくちゃに鳴らして行こうぜィ」

「1つにしろ1つに!」

「じゃあ行ってくるね」

「おう。総悟振り落とされんなよ」

「どこかの誰かさんじゃないから平気でィ」

「うっせ」





 
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