沖田双子妹
□12月25日
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「なまえちゃーん!メリークリスマス!」
スパン!といい音を立てて、朝からテンションマックスな近藤が部屋にきた。寝惚け眼で布団の片付けをしていたなまえは数秒黙った後、思い出したようにパアッと顔を輝かせた。
そんななまえを今日も可愛いなあとデレッとした顔で思いながら、近藤は目の前にきたなまえにプレゼントを渡す。
「はい、プレゼント!とっつぁんからのもあるぞー」
「わー!!!ありがとういさ兄!」
にっこり笑ったなまえの頭を撫でて、開けてみ?と催促。うん!と頷き畳にぺたりと座って、なまえはまず近藤のプレゼントを開ける。
中に入っていたのは、もこもこの暖かそうなイヤーマフラーとシュシュ。なまえはいつも髪を高い位置で結っているため、今の時期出ている耳が寒そうなのを前から心配していた近藤らしいプレゼントだった。
なまえはシュシュを手に取り、いつものように髪を上げそれで結う。そしてカポッとイヤーマフラーを付け、近藤と目を合わせた。
「どう?似合う?」
悪戯っ子のように、けど嬉しそうに聞く可愛い妹。近藤はおう!と豪快に返事をしてなまえを抱き締めた。
「とっつぁんのも開けてみよー」
高級そうな包みの質感に、少し丁寧気味に開けてみた。その中身は、
「着物?」
休みの日に着ているミニ丈のものではなく、一般的な丈の艶やかで美しい着物。下駄や巾着、簪、首元のファーなど一式揃っている。きっと正月はこれを着て会いに来てね☆と暗に言ってるのだろう。
「綺麗な着物だなァ。よかったね、なまえちゃん」
「うん!お正月はこれ着るー」
後でとっつぁんにお礼の電話をしようと思いながら、着物を丁寧に箱へ仕舞った。