短編
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ヒュルルル ドスン!
「「痛っ!」」
何もなかった場所から突如降ってきた、同じ顔の男女。彼らは連載中のサディスティックガールでドタバタを巻き起こす沖田双子だった。
「お尻打ったあ…。ってかここどこ?あたしたち木の上でお昼寝してたはずなのに」
「風が吹いて目つぶったらこの場所に落ちたとか…天人のしょーもねぇ技術かなんかか?」
『いらっしゃーい』
「「!?」」
2人は同時に声のする方を見る。そこにいたのはソファーに座ってにんまりと笑っている女。
ってかナレーターをしている私。
「何だ、管理人か」
「アンタが呼んだなら話ははえーや」
『君たちがこの状況に馴染む方がはえーよ』
まあ生みの親ですからね。分かってくれないと寂しいけど。そうこうしてる間に2人は机を挟んで向かいのソファーに座り、自分の部屋の如く寛ぎ始める。
『少しはびっくりしてよ。つまんないなー』
「「わあ、驚いた!」」
『黙れドS双子。さて、ここについては前ページを見て分かってると思うけど、一応やること分かってる?』
「アレだろ?俺たちと話したいっていうただの管理人の自己満足」
『う…い、いやでも質問とかひそかにもらってるし』
「まあ話してもいいけど、お茶くらい用意してくれてもいいんじゃない?ほら、あたしたちヒマじゃないし」
『昼寝してたくせに…(ぼそっ』
「何か言った?」
『イイエナニモ』
「あ、お茶菓子は田丸屋の団子がいいなー」
『それだァァ!!』
私が大声でソファーから立ち上がると、置いてあった雑誌を読もうとしていた妹と冷蔵庫からジュースを取りだしていた兄は目を丸くして私を見た。
『質問1つ目!ヒロインの好きな甘味は何ですか?』
「え、甘味?ってかいきなり質問?」
『まあ答えてくださいよ。ちなみに田丸屋は連載の最初の方に出てます』
「バイクで団子買いに行った話でさァ」
「好きな甘味かー…ケーキとかパフェとか…あ、1番はお団子かなあ。あのもちもち感が好きなんだよね。羊羹もよく食べるけど」
「そういや昨日羊羹丸齧りしてたな」
「さすがに半分はいさ兄にあげたけど、兎庵のだったから美味しかったよ」
『じゃあお菓子はお団子が特に好きってことでいい?』
「うん!いつでも差し入れまってるから」
『あれ?どの方向に向かって言ってるのかな?』
「どこって画面の向こうの…」
『はいいいいい失礼に当たるからお口はミッフィーちゃんで!』
「……古っ」
『君もミッフィーになろうか総悟くん』
「ねえ管理人、もう質問ない?」
『今日は1つだけだよ。何か用事?』
「用事って言うか、そろそろ夕飯の時間だから帰りたいんだよね」
「今日の飯何だったっけ?」
「アジフライ」
「フライかー。嫌いじゃねーけど肉食いてーな、肉」
異世界でもマイペースな2人に笑って、私は指を彼らの後ろに向ける。今まで何もなかったその場所には、ポンっと白く光るドアができた。
『あのドアをくぐれば帰れるよ。今日は来てくれてありがとね。またよろしく』
「はいはーい。次は上から落とさないでよね」
「つかあのドア某猫型ロボットのパクリかィ?」
「たしかに。でもあたしはピンクのもやがよかったな」
「それこそパクリだろ。動物だらけの国に行っちまう」
「総悟もなかなか映画見てるよね」
そう言いながら2人はドアノブを捻って光に吸い込まれていった。
私は最後の光が消えるまでひらひらと手を振って、ソファーに座りなおした。
『そんなわけで、こんな感じでぐだぐだやっていきます。内容は長い時もあれば短い時もあります。楽しいのは管理人だけかもしれませんが、暇潰しにでも覗いてやってください』