沖田双子妹

□12月23日
1ページ/2ページ

 




寒い廊下を急ぎ足で歩き、着いた部屋の襖をガラッと開けた。


「「お疲れー」」


すでに炬燵で暖まっていた和泉と律に「2人もね」と返し、大和も炬燵へ足を入れた。

今日は討伐要請が3件来た。同時に来ることはあまりないが、ないわけではない。しかも1体はこども≠セったので大和は1人でそれを受け、他2体はなまえ&ハク、和泉&律で担当した。

同時要請があった場合、自分たちが終わっても終わっていない方へ応援に行くのが普通。なのに彼らがここにいるのは、なまえたちが相手にしたえいりあんがすでに討伐済みだと連絡があったからだ。しかし隊長がまだ帰ってきていないのに自分たちだけ休めないと、せめて迎えに行くと言ったのだが、


「帰るだけだから大丈夫だって。その代わり部屋暖めといて」


と言い電話を切られたので、大和たちは大人しく屯所へ帰ってきた。なまえたちのいる場所は遠く帰ってくるまでに時間がかかるが、いつ帰ってきてもいいようにストーブと炬燵を付け、ポットの準備までしてある。

お茶を啜りながらTVを見ていた和泉が、暖まった空気の中で、あっと声を出す。

TVではクリスマスについてやっていた。


「どうした?」

「…まだなまえにプレゼント買ってねぇ」

「「うわー」」

「え?お前たちもう買ったの?」


声を揃えた大和と律に、和泉は焦ったように聞き返す。2人は顔を見合わせたあと、同時に肩を竦めた。


「和泉それはないよ…俺なんて1ヶ月前から用意してるよ。まだ買ってもいいかなあって思ってるけど」

「いくら忙しかったって言っても、それは僕たちも一緒だしねぇ。ちなみに僕は先週買ったよ」

「…」

「あ、ハクも僕と一緒に買いに行ったから、和泉の仲間じゃないからねぇ」


仲間がすでに用意してたことに、和泉は今週あった非番で買いに行かなかったことを切実に悔いた。
何で忘れてたんだ俺!いや、別になまえのプレゼントを忘れてたんじゃなくて、クリスマス自体も忘れてたと言うか…つか律もハクも俺誘えよ!あと大和さすがに買うのはえーよ!!

頭を抱えた和泉。本人は気づいてないが心の声は駄々漏れだ。大和が早くないよ、と言ったのには律も苦笑した。

唸る和泉を放置し2人はTVを見ながら「今年のクリスマスは寒波が来るって」「雪降るといいねぇ」とほのぼの。





 
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ