沖田双子妹

□舐めていいのは飴とチョコだけ
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「何でこんな場所にえいりあんが…」

「しかももう1体いる」


土方が指した方には、違うえいりあんが屋敷から飛び出していた。どろどろとした皮膚が飛び散って、以前ターミナルを破壊したあのえいりあん並みに見た目は悪かった。


「…刀効きやすよね」

「…万時屋は木刀だったから多分いけるんじゃ」

「う、わっ!こっち見ましたよ!」


山崎の声と何かが飛んでくる気配に、4人はその場から離れる。すぐに彼らがいた場所にはえいりあんが立っていて、ぎょろりとその大きな目玉で彼らを見ていた。

離れた拍子に沖田と土方、近藤と山崎の二手に別れてしまい、えいりあんも双方に分かれた。


「チッ、切っちまいやすか」


早く近藤と合流しなければと、カチャリ、刀を抜く。土方の無言の頷きで、沖田は素早く腕を振るった。


グオオオオ!


「やったか?」


えいりあんの地を這うような声に倒したかと思ったが、それも束の間切った後は簡単に修復されていった。

それに目を丸くした土方と沖田。

これは一体どういうことか。ターミナルの時は、倒せたんじゃなかったのか。

沖田に攻撃されたえいりあんは戦闘体勢に入り、触手のようなものを2人へ伸ばした。


「チッ」


後方へ飛び退くと触手が触った箇所はジュッと嫌な音がした。

近藤たちも刀が効かないと分かり、触手から逃げ回っている。


「総悟!」

「―――っ!」


近藤たちに気を取られていた沖田へ、土方の鋭い声が飛ぶ。慌てて意識を目の前に向けると、すぐ側に触手が迫っていた。

その触手は今までと違い、細く動きが早かった。


「ぐあっ」

「総悟!!!」


一瞬の隙を付いて触手は沖田の首に回り、地面から持ち上げた。自分達の身長から優に5倍はあるだろうえいりあんと同じ目線にまで持ち上げられた沖田は、首を絞める触手から逃れようともがき喘ぐ。


「ち、くしょ…っ」

「このっ、離しやがれ!」


土方が刀を抜いてえいりあんに切りかかる。さっきの沖田の一撃で利かないのは分かっていたが、それでもと何度も切りかかった。

そうこうしている間に、近藤たちを襲っているえいりあんがついに2人を捕えてしまった。


「近藤さん!!!山崎!!!くそっ!」


どうすればいい。刀は効かない。バズーカもない。一番隊隊士が呼びに行った増援を待つまで、何もできないのか。

苦しむ3人を見ながら、ギリッと奥歯を噛む。


「うあっ」


沖田が苦しそうに声を上げた。息もか細く、首に巻き付く触手を外そうとする手の力は弱まっていた。なのに目の前のえいりあんを、いつもの生意気そうな笑みで見据えている。


「舐めてんじゃ、ねー…ぞ、真選…組を、」


ニヤリと口端を上げた、その瞬間、




ギャアアアアアア!








「おせー…よ、」

「ごめん総悟」


真っ二つに切られたえいりあん、地面に倒れる沖田、そして、


「あたしたちが来たからもう大丈夫」


沖田を支え、にっこり笑ったなまえの姿がそこにあった。


その後ろでえいりあんは耳障りな声を上げ、緑の液体を撒き散らしながら地に伏せた。





 

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