フレンド

□第六話
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【旧大阪】

かつては大勢の人で賑わい溢れかえっていたこの場所も、今ではその面影を感じられず寂れた街へと変わっていた。

ここで住んでいる人達の顔に笑顔は感じられず強張ったような表情や生気を感じさせない人達がちらほらと見かける。


「やはり清水一派の警戒心は変わらないままか」

「清水一派がこうならハヤト達が潜入した宮崎一派が本命かもな。烈架、あっちの様子はわかるか?」

「今はまだ何も」


清水一派の隙をついてライバル・烈架・かふぇいん・リナ・チカ達五人は古びた店の中で話し合いをしていた。

ここに来るまでに清水一派の様子を見ていたが、武装や警戒をしている者達はあまりいなかった。

守護派が襲撃してくる可能性があるのにここまで警戒していないとなると逆に怪しいとライバルは感じていた。


「チカちゃん大丈夫か?」

「はい。でもどうして皆さん隠れているんですか?清水一派っていう人達も仲間なんですよね?」


ライバルの言葉に小さく頷いてチカはふと疑問を口にする。

チカはこの場所に来るまでにライバル達が身を潜めていた事や、極力バレないように動いていた事に対して不思議に思っていた。

ここの人達も革命派なら普通に会わないのだろうか?と内心思う。


「ちょっとここの奴らとは複雑な関係なんだよ」

「複雑な関係?」


不思議そうな表情をしていたチカにかふぇいんが複雑な表情をしながら口を開く。


「旧京都にいる俺達とこの旧大阪を根城にしている宮崎・清水一派で一度会ったことはあるが、そん時にハヤトとBOTUの二人が旧大阪の奴らを数人殺してんだよ」

「ハヤトさんとBOTUさんが?」

「あぁ。宮崎と清水の二人がライバルさんとリナを侮辱してな。BOTUはおそらくハヤトに便乗したんだろうが、ハヤトは本気でキレてその場にいた宮崎と清水の仲間を殺したんだよ。リナだけじゃなくライバルさんまで侮辱したからな。あの師匠バカがキレない訳ないさ」


あの時の惨劇を思いだし苦笑するかふぇいん。

あの時自分もその場にいたがハヤトの血を避けるのと、他の人達を逃がすので精一杯だった。

ハヤトを止めたのはライバルさんとリナさんだったがあの時のハヤトは本当に恐ろしかったのを今でも覚えている。


(本当にハヤトさんは二人が大切なんだ…)


かふぇいんの話を聞いてチカはただそう思う。
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