s.h.d.c.
□HEAVEN-42
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「アルトレイズシューター!」
アルテミスの銃口から放たれた白色の球体が、裕理に襲い掛かり裕理はそれを拳や蹴りで弾き飛ばしていく。
相手に全くダメージを与えていないシューターを湊は次々と放ち、その球体は次第に裕理の視界一面に広がり裕理は弾き飛ばしていていくが、全てを弾き飛ばす事はできずに球体をいくつも喰らい裕理は微かにだが苦し気に声をこぼした。
「まだだ、ライジングイレイザー」
さらに追い討ちをかけるように湊は裕理目掛けて、球体ではなく砲撃魔法を二丁拳銃から放ち裕理はそれを、まともに喰らい大きな火花と共に地面に転がっていく。
「今のは効いたぞ湊」
地面に倒れたままどこか嬉しそうに口を開く裕理。
ベルトの力と魔法の力を使って自分を追い詰めていく湊。
この戦いの中で強くなっている自慢の弟に嬉しさを隠しきれない。
だが、だからこそ敵対している事が悲しいと感じる。
「兄さん、俺は負けられないんだ」
「叶だったか?お前の守りたい人は」
「……あぁ」
一人の少女の為に兄である俺と戦う弟。
自分の知らないうちに成長したんだな湊。
本当にお前は―――
「お前の決意はわかった。だがな湊…」
それでも自分は負けるつもりはない。
ここで湊に負ければ、管理局に復讐できなくなる。
父さんや母さんを殺したやつらを組織を滅ぼすまで俺は死ねない!
「湊、悪いが本気で殺らせてもらうぞ」
「……っ!!」
ゆっくり起き上がり殺気を込めて裕理は一つのデバイスを手にした。
そのデバイスになのか、それとも裕理の殺気にか湊は無意識に息を呑む。
「お前の出番だタナトス」
『了解だぜ相棒』
裕理の手に握られた巨大な大剣。
普通に見てかなりの重さであろう大剣を裕理は軽々と片手で持ち肩に担いでいた。
「湊、いくぞ」
大剣を担いだまま一気に駆け出す裕理。
湊はアルトレイズシューターで行く手を阻もうとするが、裕理はそれをものともせず大剣の範囲内に湊が入った瞬間にそれを一気に振るっていく。
「カーネージシザー!」
大剣で湊を切り上げそのまま湊に突進し大剣でフルスイングの薙ぎ払いを喰らわせて、追い討ちのように黒い炎が湊を包み込むとそれは一気に音を鳴らし爆発した。
「があぁぁぁ!!」