深き月夢
□挿絵
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行き先を聞く暇も無くヒル魔が出て行った方向を見て首をかしげる。
二人があれこれと憶測するヒマも無く理由はすぐに明らかになった。
スピーカーから迸る銃声と叫び声にびっくりしてモニターを振り向けば
銃を乱射しながら剥き出しのエレベーターに乗ってタワーを降下していくヒル魔が映っていて、
その無駄に良すぎる射撃コントロールで挑戦者は全員引き返すはめに。
何かの拍子に転落しかねない壁も手すりも無いエレベーターの上で
反動をものともせずに大型銃器を振り回す姿を飽きもせずに眺めて
本当に退屈しないな、と頬が緩んだ瞬間
モニターごしに目が合った気がした。
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