深き月夢
□挿絵
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ルナが保健室を飛び回って消毒液やガーゼをかき集めるさまを
ヒル魔は立ったまま不思議そうに見つめていた。
2秒前まで怒りもあらわに戦闘態勢だったくせに
今は怪我の心配をしてあたふたしているなんてまったく意味が分からない。
「そこに座って!」
大急ぎで治療に使えそうな道具を抱えて戻ってきたルナが
ベッドサイドのイスを顎で示したので
ヒル魔は大人しくそこに座った。
いまだ血の止まっていない傷口から流れる血が
瞼と頬の上を通って顎まで紅く染めている。
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