捧げ物置き場

□素晴らしき宝物
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そうだね。でも、そんなことはきっと、有り得ないんだよ。これはまだ大人に成りきれてないから出来ることで、やっぱりいつか僕達は大人にならなくちゃいけなくて、それで離れ離れになるかもしれない。それがいつになるのかは分からないんだけどね、きっとそういうことなんだと思うよ。

「相変わらず手冷たいんね、柿ピーは」

犬は僕の手を握って、笑い掛けてきた。
やめてよ、そんな悲しい顔して僕を見ないで。顔で笑ってても分かるんだよ、犬。
犬の手はとても温かくて、無性に泣きたくなった。絶対、泣かないけど。
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