〜GAME〜

□第四話『憎悪』
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ない。この状況にどれだけ余裕が出来て慣れたのか、走りながらそ
んなことを思う。
「はあーっ」
要ちゃんがペタンと廊下に座り込んだ。
「もう…大丈夫でしょ…」
智久くんも途切れ途切れにそう言って廊下に座った。
廊下にお尻を付けると、不気味な程にひんやりと冷たかった。
「ねぇ、何があったの?」
私は美術室の中を見てなくて状況が分からなかったから、一と要ち
ゃん、由宇真の顔を見た。
「えっとぉ…」
要ちゃんは躊躇いがちに、私を見て眉間にしわを寄せた。
「白いのがいっぱいいてさ、俺たちの悪口を言いながらこっちに…
うぅ…思い出すだけでも恐ろしい」
一はそこまで言って身震いをした。
背筋がゾッとする。
「行かなきゃ、ダメだよね」
智久くんは心底嫌そうな顔をしてみんなを見た。
「俺も、出来れば行きたくないな」
由宇真までそんなことを言うくらいだからよっぽど怖いんだろう。
ス、と息を吸い込んで。
「・・・行こう」
そう発した私。自分でも驚くくらい凛とした声が出た。
「リンちゃん…」
皆複雑そうな顔をした。
「私たちが行かなきゃ、このゲームは終わらないよ」
私の言葉にみんなはハッとした顔をする。
「そうだね。僕たちが行かなきゃ」
要ちゃんは薄く微笑んだ。
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