〜GAME〜

□第三話『ターゲット』
1ページ/5ページ


第3話 『ターゲット』


「…ひとまずここは隠れよう」
羊くんの冷静な判断にみんなは黒板の前の一番大きな実験台の下に
身を潜めた。
チェーンソーを持つ者はBチームを素通りして実験室へ入ってきた──。


砂を校庭へ埋葬したあと、Aチームのもとへ行こうとしたらチェー
ンソーを持つ者に出会してしまった。

「あ…れ?」
先頭を走っていた一が急にブレーキをかけた。
「うわっ!」
いきなり止まった一の背中に要ちゃんが激突する。それを見て私達
も止まった。
なにがあったの?とでも言うように要ちゃんは一の前を見た。チェ
ーンソーの嫌な音が実験室へと消えていく…。
「嫌な予感が…するんだけど…」
智久くんは顔をしかめて実験室を見据える。
「見に行ってみようか」
由宇真が静かにそう切り出してみんなが一歩踏み込んだ。
「待って…!私、様子を窺った方がいいと思うんだけど」
私の意見にみんなは賛同してくれた。実験室が見える物陰に隠れて
観察を始める。
しばらくすると、耳を裂くような大きい音が聞こえてきた。
「あれ、ヤバくないか?」
一が物陰から少し身を乗り出して少し焦った口調で言う。
「僕、助けに行く」
智久くんがすっと立ち上がった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ