〜GAME〜
□第二話『校内探索』
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「なんか…ほこりっぽいね」
要ちゃんが呟いた。
私は暗闇にようやく慣れてきた目を凝らして周りを確認する。
黒くいびつな形をした三本足の物は…
「…ピアノ?」
それを見つめて言う私の後に一が続けた。
「…てことは、音楽室か」
そのとき、ポケットの中で携帯が鳴った。
私は携帯を開きメールを確認する。みんなの視線が私に集まった。
「読むね。《今、Aチームは実験室に、Bチームは音楽室にいる。
これからお前らにこの学園の七不思議を解いてもらう。》」
「「「「七不思議?」」」」
私がそこまで読み上げると4人は口を揃えて言った。
「うん。私たちは…『音楽室の片隅にいる少年』の正体を暴くみた
い…」
みんなは顔を曇らせて顔を見合わせる。
「じゃ、ジャンケンで決めるか!」
一が腕まくりをして言うとブーイングが飛んだ。
「不公平だよ」
「いくらなんでもそれはきつい…」
「じゃあ、みんなで手繋いで見に行こうか」
暗くなる私たちに智久くんが明るく微笑を浮かべて言う。
「そうだね。じゃあ一が先頭で」
私がそう言うと一は一瞬だけ嫌そうな顔をしたけど、すぐに険しい
顔になった。その額には汗が浮かぶ。
「よ、よし…行くぞ!皆の者、続け!」
「「「「サーイエッサー!」」」」
一が号令をかけるとみんなはそれに答えた。