〜GAME〜

□第四話『憎悪』
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第4話 『憎悪』


「…これ、解決したってことでいいの?」
むっちが苦笑いでみんなに聞いた。
「いいと思うよ」
羊くんがそう言うと他のみんなも頷く。
─これで七不思議の二つは解決した。
残り、五つ──。


美術室の中から物音がして一気に緊張が走った。
息を潜めているとポケットの中で携帯が容赦なく音を立てる。
「!!」
私は慌てて携帯を取り出し音を止めた。
「ビックリしたー…」
智久くんは心臓を押さえて壁にもたれ掛かる。
「なんでマナーモードにしとかないんだよ‥」
一に呆れ顔でそう言われた。
「ごめん」
私はマナーモードにしてからメールを確認して読んだ。
「《『喋る彫刻』》とだけ…」
「彫刻が喋るわけないだろー」
私がそう言うと一は普通に美術室の扉を開けた。
カタン…
バーンッ!
奇妙な音がした途端に扉を勢い良く閉めた。
「なんかいたの?」
要ちゃんは何事も無かったかのように一に聞いてみせた。
「ししし白い人が…」
ガクブルと震える一を見て由宇真と要ちゃんが扉の小窓を覗いた。
2人の目が見開く。
「逃げるよ」
「わっ!」
由宇真が言った瞬間強い力で腕を引かれ走り出す。
走ったりビックリしたり…今日は心臓が痛い。寿命縮んだかもしれ
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