〜GAME〜

□第二話『校内探索』
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第二話 『校内探索』


「ほんとに行くの?」
要ちゃんが足を止めてそんなことを口走る。
「ここまで来たんだから、行くしかないよ…」
智久くんは力なくそう言った。
やっぱりみんな恐いよね…。
「…頑張ろう?みんなでいればきっと大丈夫だよ」
私がそう言うと要ちゃんは泣きそうな顔で小さく頷いた。
「そーそー!この俺がついてるし、第一チェーンソー持った人が出
るだけだって」
一が明るく言った。
そのとき、遠く後ろの方から何か激しい機械音が聞こえてくる。
「一、後ろ確認して」
由宇真が一を睨んでそう言った。
「え、やだよ!と、とりあえず逃げるぞ!」
一は要ちゃんと智久くんの手を取り走り出した。それに続いて由宇
真も走る。同時に私も前進。ただひたすら追ってくる機械音から逃
げる。

「はぁ…っは……はあ…」
どれくらい走っただろうか。同じ廊下と階段を4,5回往復した気
がする。校内は暗くてよく分からなかった。
「ようやく撒けたみたいだな…」
一は今走ってきた廊下を確認してそう言った。
「良かったぁ…」
智久くんが言うと同時にみんなが安堵の溜め息を吐く。
「そういえば、ここどこ?」
由宇真は思い出したように言って辺りを見回してみたが、真っ暗で
なにも見えない。窓から月の光が差し込まないのは雲に隠れていた
から。
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