〜GAME〜

□第一話『指令』
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第1話 『指令』


「よーし、お疲れー!」
啓太がそう声を上げた。
─放課後、生徒会役員は生徒会室に集まって作業をしながらも談笑
しあう。
黙々と作業に取りかかる者もいれば、うたた寝をする者もいる。私
はその中に混ざって、作業を手伝ったりみんなと雑談したりしてい
る。
「神田、手伝ってくれてありがとう。助かったよ」
御影会長は微笑み、トントンッと紙の束を整えた。
「ほんとほんと!リン、俺の分までやってくれたからすごい助か
ったわ!」
「犬飼はサボっただけだろ」
笑顔で言う一に御影会長の言葉が刺さる。
さっきまで文化祭にかかる費用や部費などの計算・集計をしていた
。今年は模擬店を開きたいというクラスが多数あり、1人での計算
はつらいだろうということでみんなで手伝った。おかげでかなり早
くに終わってしまった。
「暇になっちゃったなー」
「みんなでどこか行こうよ。喫茶店とかさ」
ぼやいたむっちに重ねるようにして智久くんが言った。
「おー!いいね!」
啓太はそれに賛成する。もちろん私も。
「行きたい!」
私が勢い良く手を挙げると一も手を挙げてピョンピョン飛び跳ねて
賛成した。
「あ。僕、今月の『月刊ブルマ』買いたいなー」
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