真紅の檻

□プロローグ
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幼き頃から真紅の世界にただ一人

それが彼女の運命

外に出ることは許されぬ



彼女は言葉をも話さない




言わば

“動かぬ化物”




唯一発した言葉

『ずっと愛してる』

儚き命の重さ



彼女の前にいる一人の男

黒髪で切れ目
とてもきれいな顔立ちをした男

灰色のような目からはたくさんの“涙”



男はそれを拭うことなく
ただひたすら流しつづけた


 

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