□春
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ある晴れた日‥
それは丁度冬の寒さが和らぎこれから温かな春へと移りゆく季節にあった。

「――‥へ‥へっくしゅん!!!」
新選組一番隊組長沖田総司の部屋から大きなくしゃみが聞こえた。
「お風邪でも召されましたか?」
同じ部屋で着物の整理をしていた神山清三郎が少し顔を上げて沖田に尋ねる。
「いや、そういう訳ではないんですけど‥。」
沖田はずずっと鼻を啜った。
「暦の上ではもう春なのに、今日は少し冷えますね。冬物の着物を片付けるところでしたが残しておきましょうか?」
冬物の中でも薄手のものを選び沖田の肩に掛ける。
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