真言集

□灰苦
1ページ/2ページ

夕闇の
 嘘と真は同じ顔


微笑んで
 殺した人に梔(くちなし)を


白牡丹
 染まれぬ痛み
    我も知る


精神を
 切り刻んでは
溝へ捨て


この傷を
舐め合うために
 寄り添って


魂は声にならない
地に堕ちる


愛してる
貴方が黒と言えば



憎しみと愛は
鏡の君と我


殺しての叫びに
答う神は無し


咎人は
底を目指して
堕ちて行く


色のない
夢物語に人沈む


明るさが
増せば増すほど
影も濃く


怪が湧く
天井裏から
怪が湧く


あの声は
祈りとそして
―――断末魔
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ