戯作

□雑談。
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「いや、やはりよしておくよ。君の体調は思ったより
良くないように見えるし」
「構いやせんよ。他の誰でもない神宮さんの御話だ、
一時間でも二時間でも気の済むまで聴きやしょう」
悪いな、と言って指に付いたアイスを舐め取る。
「私も人から聞いた話なのだが」


品川にある小金持の家があった。
そこそこ広く割りと成金趣味。
そこの主が行方不明になった。
主の部屋は血まみれだったが、主はいなかった。
扉の鍵は掛かっていて、主用の鍵は部屋の中にあり、
マスターキーも鍵棚の中だった。
主は未だ行方知れずのままである。
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