戯作

□雑談。
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「ほらほら、もう少ししゃっきりしなさい。君の好物
アイス最中買って来たから」
「芋甚の?」
芋甚とは、大正時代から東京都文京区根津にある甘味
処で、小豆とバニラのアイス最中が人気の店だ。
上水流はようやく身体を起こす。
アイスを最中で挟んでほうばると、ぐったりしつつも
会話をする元気を取り戻した。
「それで、今日は何の御用で?」
「何の御用てのはご挨拶だね。君の事だから、きっと
夏バテしているだろうと思って見舞いに来たのに」
「それだけじゃあ御座いやせんでしょう?目が泳いで
やすよ。どうぞお話下せェ」
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