10/07の日記

00:20
臆病な狼は今日も空腹なまま
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うたプリ(真那)


予想外の人物に心奪われたものだ

自分で思う

「…四ノ宮」

最初の印象は
決して強くはなかった

好青年という出で立ちは
悪い印象こそ与えなかったが
突出して自己主張するものでもなく

むしろ、初見では
一十木のほうが
存在感があったように思う

しかし
優雅な物腰
眩い笑顔
音楽への真摯な態度
そして、不意の、暴走

オリエンテーリングを経た頃には
四ノ宮の存在は
鮮烈に俺の脳裏に焼きついていた

早乙女学園での生活を始め
様々な状況下で
行動を共にするようになった今

知れば知るほど
一筋縄ではいかない
その内面に気付かされ

良くも悪くも
充実した日々を送っている

料理や眼鏡もそうだが
それに限らず
無意識で人に迷惑を掛けるから
四ノ宮は性質が悪い…

…?
俺は何故、四ノ宮に心奪われたのだ?

自分で自分の記憶を遡ってみたが
これはむしろ
苦手意識をもって然るべきのような…

まぁ、人の心など
簡単に推し量れるものでもないが…

とにかく
今の俺は
四ノ宮を好いている

現在進行形
俺の肩で寝息を立てている
四ノ宮のことを…

「…んー、んぅ…」

寮の休憩所
制服のほつれを
直してやっていたら
いつのまにか
眠りに落ち
さも当然のように
俺の肩に寄りかかってきた

まぁ、俺としては
小さな幸福だ

頬をかすめる柔らかな髪
そこから香る匂い
耳元で唄う、穏やかな寝息

「誰にでもこうなのだろうな…、お前は」

特別
俺が頼られているという訳でも
信頼されている訳でもない

四ノ宮はこういう男なのだ

多少は相手を見ているようだが
スキンシップという点では
来栖に勝てる気はしないしな

この距離だって
おそらく
四ノ宮にとっては
ごく自然な友人の距離なのだ

「…そろそろ起きろ、四ノ宮」

でなければ
その髪に
口付けてしまうぞ?

そんな囁きは
決して吐き出すことはできない

「裁縫は終わったぞ
ほら
眠いのならば部屋に戻れ」

ずり落とさぬ程度に
軽く肩をゆすると
うん
と吐息が漏れて

「ん、ぁ…はい…」

なんと甘い声だろうか
…ではなく
起きてもらわねば

「しっかりしろ
こら!また寝ようとするな…!」

俺が強めに叱ると
さすがに
のそり、起き上がった

それでも意識は半分なのか
寝ぼけ眼が
潤んで見つめてくる

「…う、ごめんなさい…
真斗くん
あったかくて気持ちいいから
つい眠くなって…
あ、なんだか凄くギュッてしたいです」

「おいこら意味がわから、なっ」

ふらり
倒れこむように
抱きついてきた四ノ宮
思わず受け止めてしまったが

…ああ、あたたかい

ではなく

眠るなら部屋に戻れと
そう
言っている、のに

(こんな無防備に甘えてくれるな…)

抱き締めれば
嬉しそうに縋りつく

事故を装い
額に
そっと口付けても

「真斗くん、あったかいです」

そんな呑気なことを言う
まったく…
俺の理性だって
無限にある訳ではないというのに

いつまでも
羊では
いられないというのに

…などと思ったところで
それは胸の内の話

「四ノ宮!起きんか馬鹿者!」

「ふぁっ!?あ、はい!」

友人としての距離を
失いたくない俺は
何も出来やしないのだ

「よし、起きたな」

「はい!起きました!」

慕ってくれる
お前の
その笑顔が続くならばと、甘んじる

「もう部屋へ戻れ」

「はぁい」

眠りのキスも
目覚めのキスも
出来ぬまま

本当は
噛み付いて
喰らいたいと願う
欲望を、隠したまま

「おやすみなさい、真斗くん」

「ああ、おやすみ」

引きとめたい衝動
口付けたい劣情

今はある理性で、留めて

俺は今日も
ひとり
空腹を耐えながら
帰路に着く

いつまで耐えられるのか
暴走しやしないか
いっそ
伝えて壊れてしまえば
楽になれるのか

そんな葛藤を抱えながら
眠りにつくのだ

明日の笑顔に、焦がれ、ながら…



::+::+::+::+::+::

むっつり!


臆病というか初心な気がします。
大切にしたい!

うたリピのプレイ前に
この組み合わせ引き当てましたが
ゲームの真斗さんルートで
狼さんガオー見れて
ちょっとドキドキしました(笑

あんな一面もあるのね…!
半分は演技ですけど…←



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