神尾受けV

Child Rythem
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「すみませーん…仁王さんいますか?」


立海の部室の扉を恐る恐る開けた。

レギュラー陣の視線が俺に集まる。


「おー、神尾じゃねぇか。仁王ー、おい寝てんなよ」


ベンチに座ってうとうとしていた仁王さんを、丸井さんが起こしてくれる。

その間に、切原が俺に駆け寄ってくる。


「神尾、久しぶりだな!珍しいじゃねぇか、お前がこっちに来るなんて」

「あぁ。まぁたまにはな」


いつもは仁王さんが東京まで来てくれるけど、たまには俺も神奈川に来ないと不公平だろう。

だから、今日は学校が終わってすぐにバスに乗ってこっちに来た。


「毎日こっち来てくれたっていいんだぜー。オマエなら大歓迎」

「じゃあお前が交通費出してくれんのかよ」

「うげ、それは勘弁」


切原も、初めて会ったときに比べたら随分丸くなった。

仁王さんと付き合うようになってから、立海の人たちと関わることが多くなり、皆のことがよくわかってきた。


「くぉら、赤也」

「いてっ、先輩…」


目が覚めたらしい仁王さんは、俺たちの方に歩いてきて切原の頭にチョップを食らわせた。


「神尾に近づいてええのは、俺だけぜよ」

「フンっ。そのうち俺が奪ってやるから、覚悟しといてくださいよ」

「おーおー、言うてくれるのう。ま、あり得ん話じゃがな」


そう言って仁王さんが俺の髪を撫でる。

切原がすごい目で睨んでくるからやめてほしいんだけどな…


「まあまあ赤也、これでも飲んで落ち着け」

「柳先輩っ…」


柳さんが切原にグラスに入ったドリンクを渡す。

切原も大人しくなり、それを受け取った。


「神尾もどうだ?」

「あっ、ありがとうございます!」


俺もドリンクを受け取って、一気に飲み干した。

急いで立海に来たから、喉が渇いていたんだ。


「参謀ー、俺もー」

「仁王、お前は飲まない方がいいと思うがな」

「何じゃ、ケチケチせんでええじゃろ」


こんなに美味しいんだから、仁王さんにもあげればいいのになぁ柳さん。

切原も美味そうに飲んでいる。


「柳さん!ありがとうございました!」

「先輩!これ超美味いッス!」

「ふむ、それはよかった。1日経てば元に戻るから安心しろよ」


「えっ?」



俺と切原は顔を見合わせた。




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