神尾受けV

チェリー
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「すいませーん」


俺は恐る恐る2年の教室の扉を開ける。

他の学年のフロアに来るの初めてだし、緊張するな…


「ん?1年生か?どうした?」


入り口の1番近くにいた先輩が答えてくれる。

俺は教室をキョロキョロと見渡した。


「跡部、いますか?」

「あぁ、いるよ。お前、跡部の後輩?」

「あ、はい」

「入ってこいよ。跡部ー!後輩が来てんぞ!」


先輩につれられて、教室に入る。

窓側の方を見ると、跡部が席に座って本を読んでいた。

こっちに向けられた顔が少し微笑む。


氷帝の高等部に入学してから、生徒会長の話以外で見るのは初めてだ。

入学式の日は説明とか色々あって会えなかったし。


「神尾。氷帝はどうだ?」

「どうって、昨日入学したばっかりだぜ。まだわかんねぇよ」

「まぁ、それもそうだな」

「でも、日吉が同じクラスだし。皆いい奴等だぜ」


ほとんどが氷帝の中等部から来てる奴等だから、アウェーの俺は馴染めるか不安だった。

でも、皆いい奴で、俺を受け入れてくれた。


「なんだ、お前外部からの入学なのか?」


跡部のところまでつれてきてくれた先輩に尋ねられた。

俺は頷いて答える。


「はい!不動峰中出身の神尾です!」

「へぇー、不動峰かぁ。テニス部なのか?」

「うっす!」

「俺もテニス部なんだ。よろしくな」

「こちらこそ、よろしくッス!」


先輩もいい人だなぁ。氷帝ってもっと殺伐とした感じだと思ってたけど、いい感じだ。

死ぬほど勉強した甲斐があった。


「それにしても…何度見ても似合わねぇな、その制服」

「うっ、うるせぇよ!」

「七五三かよ」

「黙ってろアホベ!!」


この野郎っ…

俺が合格して春休み中に制服見せに行ったときも、同じ反応しやがった。

俺だって学ランの方が落ち着くんだよ!



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