神尾受けV

重い想い
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もう1週間跡部に会ってない。

いつもは週末に会っているけど、今週は氷帝が合宿があるらしくて、会えなかった。

次の週末まで会えないってことは…10日以上跡部に会えないってことだ。


今日はまだ月曜日。

あと4日も耐えられねぇよ…


自然に涙が零れてくる。

ベッドのシーツが濡れるけど、気にしない。

不安で不安で、寂しくて、涙が止まらない。


「うぅ…跡部ぇ…会いたいよぉ……」


会えないなら、せめて跡部の声が聞きたい。

迷惑かな…

俺は本当に自分でも情けないと思うけど、跡部に依存しすぎている。

少しでも会えないと寂しいし、言葉にしてくれないと不安になる。


枕元に置いてあった携帯を手に取り、今電話していいかとメールをした。

…まだ11時だし、起きてるよな……


1,2分経つと、跡部からの着信音が鳴った。

いつも俺がこういうメールをすると、返事をするよりも先に電話をくれる。

そういうところも大好きだ。


「跡部?」

『神尾か?どうした?』

「な、何もないんだけど…ただ、跡部の声聞きたくて……すぐ切るから、大丈夫だぜ」


声を聞いたら、一気に安心した。

単純だな、俺って。


『そうか…可愛い奴だな』

「ば、ばか…変なこと言うなよ」

『はは、悪い。でも本音だぜ?』

「もう……」


跡部の声が心地いい。

ずっと聞いていたいな…






それから跡部は30分くらい俺の話に付き合ってくれた。

跡部だって疲れてるだろうに、本当に優しい。


「もうこんな時間だ…付き合ってくれてありがとな」

『気にすんな。俺様だって、お前の声が聞きたいと思ってんだぜ?』

「うん…嬉しい。大好きだぜ跡部」

『あぁ…俺も、愛してる』


電話越しでも、耳元で囁かれているような気になる。

言葉にしてくれると、実感が湧いてすごく幸せだ。






…それでも、電話を切ってしまうと途端に寂しさと不安が襲ってくる。

声を聞くと安心するけど、余計に会いたくなってしまう。


それを押し殺すように、俺はまた涙を流した。





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