四天宝寺U
□おやすみヒカル
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あー、やっぱり…
風呂からあがって部屋に戻ってくると、案の定財前はベッドの上で眠りこけていた。
朝から眠いと言っていたから、マズイとは思っとったけど…
でも、泊まりは1週間ぶりだし、俺はやる気満々だった。
だから財前に先に風呂入ってもらって、俺も急いで風呂に入って戻ってきたっていうのに、コイツは可愛い顔してすうすうと寝息をたてている。
「あー、もう…おあずけかいな……」
財前の頭の方に腰掛けて、頭を撫でてやる。
うわ…柔らかい。
いつもワックスでガチガチやけど、風呂あがりはふわっふわやなぁ。
指先を耳の方に滑らせてやると、小さく声を上げる財前。
う〜〜っ…可愛いなぁ…
睫毛長いし、肌も白くて、すべすべや。
頬を撫でると、しっとりとして綺麗な肌が吸い付いてくるようで。
あぁ…ものっそい可愛い…
可愛い財前を見ていると、俺の気持ちは昂ぶってくるばかりで。
本当は今すぐ起こして突っ込みたいけど、こんなに気持ち良さそうに寝てるのに、起こしたら可哀想やしな…
理性と本能が俺の中でもの凄い戦いを繰り広げている。
ああぁ、可愛い。可愛すぎる。
「……ざいぜーん?」
こんな小さな声で起きるとは思っていないけど、呼びかけてみる。
勿論財前は、相変わらず小さく寝息をたてるだけ。
そんな姿を見ていると、俺の汚い欲望は段々薄れてきて、むしろもう少しコイツの寝顔を見ていたいなんて思えてきた。
…なのに。
コイツは俺の手首を捕まえて、あろうことか頬擦りをしてきた。
「っ……ざ、財前ッ…?」
「…んー……」
どうやら寝ぼけているだけみたいだ。
そういえば、財前の部屋のベッドには抱き枕が置いてあったっけ…
俺の手を、抱き枕だと思ってるんやろか…
「ぅ…可愛すぎるやろ…」
薄れてきた欲望が、またムクムクと膨らんでくる。
くぅ…可愛い可愛い可愛い…
…少しくらい、悪戯してもええよな…?
そう思って、俺は財前の唇を指先でなぞった。
ぷるぷるとしてて、赤くて、可愛い唇や。
あぁー…吸い付きたい…
けど俺の右手はがっちりと財前につかまれているから、かがんでキスをするにはキツい体勢。