四天宝寺U

サプライズ!
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「ハッピーバースデー白石ー!!」




授業を終えて、放課後部室に入ると、皆がそう言ってクラッカーを鳴らした。

あの財前も一緒になって鳴らしている。


「え…な、何やこれ…お前ら……」

「はっはー、ビビッたやろ白石!成功やな皆!」


謙也が前に出て俺の胸を小突く。

俺はようやく落ち着いてきて、自然に笑いがこみ上げてくる。


「はは、お前ら最高やわ。ほんまおおきに」

「まだ礼言うんは早いで!お前を笑かしたろ思て、皆で色々考えてきたんやからな!」

「ほんまか?楽しみやわ〜」


それから謙也と財前のグッダグダの漫才見せられて、かと思えば小春とユウジのハイクオリティーな漫才見せられて。

師範のシュールなギャグとか千歳の漫談とか、金ちゃんに至ってはただのタコヤキ早食いやったけど、楽しかった。

それからオサムちゃんにコケシ(スペシャルバースデーヴァージョン)ももらった。


皆いつも以上にアホやったけど、ほんまに楽しかった。








「っはー、部室の掃除大変やったなー」

「お前らが暴れるからやでー」


パーティーがお開きになった頃、既に外は真っ暗だった。

隣にいる謙也は疲れた顔をしているが、笑顔で俺も嬉しくなった。


「お前らメールも電話もよこさんと薄情なヤツや思っとったら、まさかこんなパーティー用意してくれとったとはなぁ」

「はは、びっくりしたやろ?金ちゃんの誕生日終わってから、次はお前の番やて計画立てとったんやで」

「ただお前、あの漫才はないやろ。グッダグダやんけ。お前が毒舌吐かれて終わりて」

「うっさいわアホ!」


あぁ、ほんまにアホ。けどめっちゃ楽しい。

俺、ここに来てよかったなぁ。


「それにしても白石、ほんまによかったんか?誕生日当日に俺の家泊まるやなんて」

「ええて。家ではオトンも休みの日に家族そろってやるんやから」

「さよかー。ほんなら、ゆっくりしてってな。ま、明日学校やし、言うほどのんびりできんけど」


そうこうしているうちに、謙也の家に着いた。

中に入って、階段を上がっていく。


「オカンに見つかるとうっさいからなー。お前がイケメンすぎるからやで。まったく、いい年こいてイケメンに目ぇないんやから」


ぶつぶつ言う謙也について廊下を進み、謙也の部屋まで来た。

謙也がドアを開けてくれて、俺はつづいて中に入る。




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