神尾受け

きっかけ
1ページ/5ページ




「げっ!」



「何や、急にでかい声出して」

「どないしてん神尾?」


神尾の声に忍足と謙也が驚く。


「プレーヤーが壊れたぁ……」


神尾はヘッドフォンを耳から外し、首にかけた。


「うわ〜どうしよう!まだ合宿長いのに〜!!」

「合宿の間くらい我慢できるやろ」

「できませんよー!」


謙也の言葉に神尾が泣きながら答える。


「俺のカセットテープで良かったら聞いてもええで?」

「俺のスピードもええで?」

「う…嬉しいんですけど……はぁ〜…」


肩を落として溜息を吐く。


「このプレーヤーしか持ってきてないんだよなぁ…」

「あ、そうや。もしかしたら…」


忍足が言いかけたとき、部屋の扉が開いた。


「侑士ー!暇ー!」


大きな声と共に、向日が部屋に入ってくる。


「向日さん…」

「おぉ岳人、ちょうどええわ」

「ん?どうしたんだ?」

「神尾のプレーヤーが壊れてもうてな。ちょっといじったってくれや」

「は?プレーヤー?」


向日が神尾の脇から覗き込む。


「ふぅん…いいけど。音が出ねぇのか?」

「あ、はい…」

「たぶん直るぜ。貸してみそ」


神尾の手からプレーヤーを受け取り、器用にいじり始めた。


「あー…なるほどな。誰かドライバー持ってねぇ?」


部屋を見渡すが、3人とも首を振る。


「んー…仁王とか持ってねぇかなー。ちょっと待っててくれ」


向日は壊れたプレーヤーを持って部屋を出た。



次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ