氷帝

隠しておきたい
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「ちょ、ここじゃ嫌だって」

「何でやねん、誰もおらへんのやからええやろ」

「そういう問題じゃねぇだろっ!」


クソ、忍足面倒くせぇ…!

部室で迫ってくんな!


「あぁあぁ近い!離れろ変態!」


忍足の顔が俺の唇まであと数センチ。

嫌じゃないけど、部室だとどうにも落ちつかねぇからなぁ…

しかも皆が帰った直後に来やがるから…


「誰か忘れ物とかとりにきたら…」

「んなことあらへんて。なぁ宍戸、観念しぃ」


わ、ヤバいヤバい!

何て思ったときにはもう遅くて、唇には柔らかい感触。


「んっ、うぅ…」


すぐに舌を入れられて、頭が真っ白になる。

俺は成す術もなく、忍足のシャツをぎゅっと握っていた。


「んん、ふぅ、」


頼むから早く止めてくれ…

何も考えられねぇ!


「ぅ…っは…」


唇を離されて、俺らの唇を銀糸が繋ぐ。

毎回、とてつもなく長い時間に感じられる。


「ば、っか…長ぇよ……」

「んなことあらへんて。宍戸が肺活量ないだけとちゃうん?」

「んっ、だと、テメ…」

「まぁまぁ、そう怒らんと」


頭を撫でられて、ソファーに押し倒された。


「ちょっ…」

「もう戻れへんやろ?」


また顔が近づいてくる。

うわ、うわうわ!


「いっ、いい加減にしろ!」


俺は思わず忍足を突き飛ばした。

忍足が床にしりもちをつく。


「ってー…そんな怒らんでも…」

「ばっ、ばっ…ふざけんなよ…!」



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