氷帝

翌朝
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「あれ?跡部ー?」


「あ?」



跡部が名前を呼ばれて振り返る。


「何だジローか。相変わらず寝坊か」

「うん、ごめんね〜」


いつものように朝練に間に合わず、あくびをしながら登校するジロー。


「跡部は〜?何で朝練行ってないの〜?」


まだ寝ぼけたように間延びした声で言う。


「あ、あぁ……ちょっとな…」

「ふぅん…珍しいね〜。じゃあ教室まで一緒に行こ〜♪」

「あぁ」


跡部が樺地も連れずに1人で朝練に遅刻なんて、本当に珍しいことだった。

というか、初めてだ。


「(くっそ…俺様としたことが…)」

「あ!景ちゃん!」


その声に、跡部の肩が跳ね上がる。

声の主は朝練を終えて教室へ向かって行く忍足。

隣には向日の姿がある。


「おぉジロー、はよ〜」

「おはよ〜向日」

「もう亮教室行ったぜ。お前も早く行けよ」


向日に言われ、宍戸のいる教室へ向かうジロー。


「じゃあな侑士。俺も教室行くぜ」

「おぉ」


向日も忍足に手を振って自分の教室へ入っていく。


「景ちゃん、おはようさん」

「…あぁ」

「体大丈夫か?」

「…あぁ」

「ほんまに?」

「大丈夫だ」

「ごめんな景ちゃん。俺の所為で」

「ったく、本当だぜまったく…」


跡部が朝練を休んだ原因は忍足にあった。




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