氷帝
□お医者さんごっこしようや!
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「スマンな跡部、ほなよろしゅう頼むわ」
『あぁ…ったく、気ぃ抜いてっから風邪なんかひくんだ』
「せやからスマンて。明日……せめて明後日には行けるようにしとくで」
電話を切って携帯を枕元に置いた。
…あー……しんど………
朝起きたら熱出とって…
オカンもオトンも仕事休まれへんし。
まあ別にええんやけどな…
姉貴は彼氏とデートやし、俺は家に1人や。
冬休みやのに部活ばっかやらせよるからこないになんのやアホベが。
でもまあしゃあないと思って、眠くもないのに布団を被った。
そのとき、インターホンの軽やかな音が鳴った。
…誰やこんなときに……
正直動きたなかったけど、シカトするわけにもいかんと思ってフラフラと階段を下りて玄関に向かった。
「はーい…どちらさん……」
「おお侑士、久しぶりやな」
……パタン。
はー……何か嫌な金髪の男の幻覚が見えたわ……
「ちょ、侑士!何で閉めんねん!開けろや!むっちゃ寒いねんで!」
アホがドアをバンバンと叩いてくる。
近所迷惑やし、とりあえず再びドアを開けた。
「おお侑士、元気そうやな」
「謙也……お前いっぺん眼科行ってこいドアホ」
何が元気そうなんや。
どうみても死にそうやろ俺。