神尾受けV

スピードエースの弱点
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「んー…あ、跡部おはよー」

「あぁ」


目が覚めると、俺より先に起きていた跡部に髪を撫でられていた。

甘えるように擦り寄ると、跡部は額にキスを落としてくれる。


「体は平気か?」

「あぁ。全然何ともないぜ!」


跡部が巧いからか、昨日結構ヤッたのに体はあまり辛くない。

笑顔を浮かべて答えた俺に、跡部がニヤニヤして言う。


「それより神尾。今日も泊まっていくんだろう?」

「え?うん」


俺たちは、金曜日は必ずといっていいほどどちらかの家に泊まっている。

そして、たまにそのまま土曜日も泊まっていく。


「そうか…楽しみにしておけよ神尾」

「え?え?何かあんのか?」

「そうだな…俺様は、楽しみだな」


ニヤニヤと笑いながら言う跡部。

これは…悪い予感しかしない。


「な、何考えてんだよ?」

「さぁな。夜まで待つんだな」

「今言えよ。気になるだろ」


跡部がこういう笑い方するときは絶対よくないこと企んでんだ。

冷や汗が背中を伝う。


「俺は別に今でもいいんだぜ?でもお前、部活あるんだろ?」

「あるけど…何だよ、そんなに時間かかんのかよ?」

「あぁ…たっぷりとな」


だ、だめだ。絶対だめな奴だ。


「あ、あの、やっぱり俺、今日は帰…」

「そしたらまた後日な」

「え…」


くっそー!逃げられねぇ!

俺は今日1日ビクビクしたまま過ごすのかぁ…


「も、もういいよ。わかったよ」

「よし、それでいいんだ。物分りのいい奴は嫌いじゃないぜ?」


そう言ってまた髪を撫でながら俺の頬にキスをする跡部。

不安に少し怯えつつも、跡部の手に甘えてしまう俺は重症だと思う。





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