神尾受けV

Child Rythem
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ボワンと大きな音がして、視界に入るものが全て大きくなった。

何だ急に!!?


「な、何これ…って、え!?」


自分の声がいつもより高い。

隣であたふたしている切原も、声が高くなっている。


「…え?切原?」

「何だよ神尾…って、え?」


俺たちは互いを見て目を丸くする。

そして自分の体に目を落とす。


「ええええぇえ!!??」


体が小さくなっている。小学校低学年くらいだろうか。

俺たちが慌てふためいていると、1人涼しい顔で微笑んでいる柳さんがしゃがみこんで俺等に話をする。


「実験は成功のようだ。2人とも、ご協力感謝する」

「感謝するじゃないッスよ柳先輩!早く元に戻してください!」

「だから、明日になれば戻ると言っただろう?」

「でも…」

「家のことなら安心しろ。今日は家に泊まっていくといい」


あ、これ切原食われるな。

なんて他人事のように考えているけど、さっきから仁王さんが少し危ない目で俺を見ている。


「…神尾」

「はい?」

「俺部活終わって少し汗臭いけど勘弁ぜよ」


そう言うと仁王さんは俺の体を軽々と抱き上げた。


「わっ!仁王さんっ、降ろしてください!」

「ダメじゃ」

「たっ、高くて怖いッス!」


小さくなってる分、この高さだとかなり怖い。

仁王さんの肩にぎゅっとつかまる。


「じゃあ皆、お先に失礼するぜよ!」


皆が哀れみの目を俺に向けてくる。

それでも助ける気はないようで、俺は仁王さんに抱かれたまま部室を出た。



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