氷帝U

2人の立ち位置
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「な、何か、気をつけることとかあるのか?」

「んー…特に、ねぇよな?」

「せやなー。あ、ゴムはつけん方が気持ちええで」

「え、でも危なくねーか?」

「別に妊娠するわけやないし、2人とも初めてやろ?ちょっとくらいリスク犯した方が燃えんで」


そんないい加減で良いのかよ…

でもまぁこいつ等が言うんだし、心配ないか。


「あ、あとな、下手な演技なんかせん方がええで。自然に出る声が興奮するんやからな」

「え、演技なんて、俺ができると思ってんのかよ…」

「ま、それもそうやな」


そこであっさり頷くのもどうかと思うが、俺は大人しくしておいた。


「じゃ、じゃあ、もし俺が上だったら…」

「それはありえないから安心しろ」

「なっ…わ、わかんねぇだろ!もしかしたら長太郎は下がいいかもしれねぇじゃねーか!」

「それもありえへんて」

「つーか、お前はどっちがいいんだよ?」

「へっ!?」


まさかそんなこと聞かれるとは思ってなくて、間抜けな声を出してしまった。


「お、俺は、長太郎が相手なら、どっちでも…」

「ウソつけ」

「自分に正直になった方がええで」

「う…」


この2人には、何でも見透かされているようだ。

俺は本当に長太郎が相手なら上でも下でもいいけど、正直俺が上だなんて想像できない。


「で?いつ誘われとるん?」

「次、泊まるのは、明後日…」

「さよかー、感想聞かせてなー」

「日曜日は部活軽めにしてやるから、安心して掘られてこい」


跡部の口から下ネタが出てると思うと何か嫌だけど、俺は気にせずに話を続けた。


「とりあえず、頑張ってくる…」

「あんま緊張せんでも大丈夫やでー。気持ちええだけやから。なー景ちゃん」

「俺に聞くんじゃねぇよ!」


顔を真っ赤にして叫ぶ跡部。

はぁ、こいつ等本当に進んでるよなぁ…


「まぁ、お前に何かあったら鳳にはしっかり教育してやるから、安心しろ」

「せやなー」

「お、おぉ…俺もう帰るわ…」


2人の笑顔が段々怖くなったから、俺は教室を後にした。



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