氷帝U
□2人の立ち位置
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「や、やっぱり…?」
「当たり前だろ。お前も男ならわかるだろ」
「そ、そりゃそうだけど…」
「で?それで何をそないに悩んどるん?まさか恥ずかしい、どないしよー、じゃ、ないよな?」
「そうじゃねぇよ!」
忍足の言葉にイラッときて、思わず声を荒げる。
「そうじゃなくて、その…ほら、男同士だろ?どっちかが、女役やらなきゃいけないわけじゃんか…」
「そりゃそうだろ」
「当然やな。ま、かきっこするって手もあるけどなー」
「黙れ忍足。その品のない笑顔をしまえ」
どうせ夜の跡部のことでも考えているんだろう、忍足の口元がだらしなく緩んだ。
「…俺たちの場合、どっちが女役やればいいんだ?」
「……え?」
2人が目を丸くして俺を見る。
何故そんな顔をする。俺は真剣なのに。
「…何だよ?いやほら、やっぱ普通は体が小さい方だと思うんだよ。そうなると俺だけどさ、でも俺の方が年上だし、リードしてかなきゃいけないのかな、とか…
色々考えてたらワケわかんなくなっちまって…」
「…バカだろ、お前」
「なっ…」
俺は本当に悩んでいるのに、それなのにバカだと言い放つなんて、なんて奴だ。
跡部を睨みつけると、跡部は余裕のある笑みで見下してきた。
「体のでかさとか、年齢なんて関係ねーんだよ。要は、どっちがどっちをやりたいかだろ。あとはその場の流れな」
「そーゆーことや。ま、お前らなら十中八九、宍戸が受けやろなー」
「なっ…何で俺が、」
「完璧な強気受けやろ、お前」
忍足の目が輝いてきた気がする…気のせいだと願いたい。
「ま、あと普段のお前ら見とっても一目瞭然やし。景ちゃんと一緒で、ツンデレは受けやて相場は決まっとるんよ」
「お、俺を巻き込むんじゃねぇよ!」
…たしかに、こいつ等なら、明らかに跡部が受けだ。
忍足が受けだなんて、想像もつかない。つーか、想像したくねぇ。
「い、痛い、のか?」
「はっ?」
俺が尋ねると、跡部の顔がかぁっと赤くなった。
俺も多分真っ赤だけど、心の準備くらいはしておきたい。
「そ、そりゃ、最初は、少し…」
「でも俺巧いからなー。大分ましやったと思うでー景ちゃん」
「ま、まぁ…鳳が必ずしも巧いとは限らねーけどな」
「下手だったら…?」
「もう二度とセックスなんてしたいと思わねーかもな」
「お、