四天宝寺
□二面性
2ページ/5ページ
けど、ユウジ先輩、ちゃんと2人んときは優しゅうしてくれるし、我慢せなしゃあないやろ。
「ちゅーことで早よ帰れや先輩ら」
「どういうことやねん!?;」
「部長、早よ行かんと金ちゃん暴れてまうで」
「…あれ?そういえば金ちゃんおらんやん」
先輩たちがキョロキョロと部室を見回す。
「部長がたこ焼き奢ってくれるから先にたこ焼き屋で待っとけって言うときました」
「何勝手なこと言うてんねん!」
そう言いながら部長は鞄を引っつかんで部室を飛び出していった。
その後を謙也さんも追う。
「ついでに俺も奢ってもらうたい。師範と小春も来んね」
ナイス千歳先輩!
「そうさせてもらいまひょか」
「そうね〜。千歳くんが誘ってくれたんやし、行かないわけにはいかんわね。
じゃあまたね、ユウくんに光ちゃんv」
「またな〜小春〜vV」
「っす」
千歳先輩に感謝しながら頭を下げる。
小春先輩が出ていって、パタンと静かに扉が閉まる。
「ざーいぜんっ」
ユウジ先輩がこっちを向いて、勢いよく抱きついた。
「せ、せんぱ…」
「ん?何?」
「な、何でもないっす」
こうやってちゃんと愛情表現してくれるから、なんぼでも我慢できる。
「さよか」
髪を撫でられて、額にキスをされた。
こんなん自然にやるから心臓に悪いんや。
「先輩、」
俺も先輩に腕を回して、力をこめる。
「どないしたん?」
「んー…別に」
こんなん俺のキャラちゃうのに、嫉妬からか寂しさからか、つい甘えたなる。
「ごめんなー財前」
「ええんです」
半分はネタで半分はキャラやってわかっとる。